「ウーマンエンパワー賛同企業」事務局では、賛同企業様の施策の参考になればという想いで、
様々な企業事例や専門家の取材記事を掲載しています。
進行中の働き方改革。10年以上前からパイオニアとして取り組んできた(株)ワーク・ライフバランスの働き方改革実現説明会(17年8月)で、法改正と施行後に向けたポイントを伺ってきました。
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経済を大きく左右する人口減。厚労省の調査結果では、
男性の家庭進出度が高い家庭ほど第2子の出生率が高いというデータも出ている。
<1人目が生まれた時に夫が家事・育児に参画しないと第2子が
産まれていない。 1人目で孤独な育児が妻のトラウマに。>↓
そのため、「男性を含んだ働き方改革」が今すぐ重要であり、2年がタイムリミットと提言している同社。「36協定」「インターバル規制」を含む世論の盛り上がりが肝だという。
電通過労死認定後、電通の石井社長が引責辞任をしたことからも、
残業や働き方の問題=経営トップが責任をとるべき問題になってきたという動きがある。
安倍内閣総理大臣も施政演説で初めて「罰則付きの法改正」と明言した。
16年9月に第1回が開かれた働き方改革実現会議からは3月に実行計画が決定された。
現行の時間外労働規制について補足すると、
労働基準法での原則的な労働時間上限は、1日8時間・1週40時間。これを延長する場合には労使協定(36協定)の締結・届け出が必要だが、届け出のみで実態は青天井であり抜け道も多いとされる。
また、一部の職種では適用が除外されている。
◆今回の法改正ポイント3つ
概要をかいつまんでまとめると以下である。
<1>「厚生労働大臣告示」が「法律」に
現行の限度基準告知を法律に格上げし、罰則による強制力をもたせる。
同時に、従来は上限なく時間外労働が可能になっていた、特別事情に労使が合意した場合であっても、上回ることのできない上限(年720時間=月平均60時間)を設定。
<2>上限は単月100時間未満、2~6か月平均でも休日労働を含んで80時間以内
この上限について2~6か月の平均でいずれにおいても休日労働を含んで80時間以内を満たさなければならない。単月では休日労働を含んで100時間未満を満たさなければならない。加えて、時間外労働の限度の原則は、月45時間、かつ、年360時間であることに鑑み、これを上回る特例の適用は、年半分を上回らないよう年6回を上限とする。
また、今までは基本受理されていたものがきちんと実態を聞いて助言・指導していく形となる。
<3>適用除外だった運輸・建設が適用対象に
自動車の運転業務:改正法施行期日の5年後に、年960時間(月平均80時間)以内の規制を適用
建設事業:罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用
医師:改正法の施行期日の5年後をめどに規制を適用、2年後をめどに具体的な在り方を検討
また、「インターバル規制が努力義務」となる。具体的な動きついては次のようなものがある。
・勤務間インターバル制度として、前日の終業時刻と翌日の始業時刻の間に一定時間の休息の確保に対し努力義務を課す。
・パワーハラスメント対策、メンタルヘルス対策等の新たな目標を掲げることを検討するなど政府目標を見直す。
・企業本社への監督指導等の強化として、本社立ち入り調査や、企業幹部に対するパワハラ対策を含めた指導を行う。企業名公表は複数事業場で月80時間超えの時間外労働違反がある場合などに拡大して強化。
・法律施行後5年を経過した適当な時期に検討や見直しを行う。
この流れの中、
法律施行後の企業の準備ポイントは次の3つだという。
1.法的強制力のない「厚生労働大臣告示」でなく法律で定められ、超えれば法律違反となることの社内周知が重要
2.労使協定で繁忙期上限を結びなおすことになる
3.繁忙期の法定上限を各企業が何時間で結んだか、新聞各紙で特集などが組まれることが予想されるため、上限ギリギリ設定の企業は見劣りし同業界内でも優秀な人材を採用しにくくなることを意識
つまり、2018年末から2019年春といわれている施行時期には、
月46時間超えをゼロにすることや、繁忙期上限を60~75時間で結べる準備を
今からするとよいとのことだ。
(続いての後編では、実際の働き方改革で成果を出した企業の具体事例と、同社コンサルタントの大塚氏に伺ったアドバイスを取り上げます。)
2017年8月
取材:ウーマンエンパワー賛同企業 事務局 (株)ママハピ
<過去の関連記事>
「まず制度導入」「法律対応すればいいんでしょ」ではダメ!働き方改革の進め方ポイント
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