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働く2017/09/08

子連れ出勤と授乳服のパイオニア企業・モーハウスにきく制約社員の強み化戦略とは

「ウーマンエンパワー賛同企業」事務局では、賛同企業様の施策の参考になれば

という想いで、様々な企業事例や専門家の取材記事を掲載しています。

 

今回は、「授乳服があれば 子育てはもっと楽しめる」をモットーに母乳育児を応援し、

授乳服と授乳用インナーの製作・販売、および授乳服を通じた情報発信をしている

モーハウス青山ショップを取材しました。

 

 

 

 

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(有)モーハウス(本社:茨城県つくば市/代表取締役 光畑由佳氏)は、肌を露出せず1秒で授乳できるアウター・インナーを製作・販売している。光畑社長が「女性が出産後も外出・移動などを我慢することをツールで変えられないか」という想いから1997年に自宅から友人たちのサポートでスタートした。授乳中だと言わないと気づかれないという、授乳服や授乳ブラは好評で、2015年にはモーハウスブラ累計販売枚数33万枚突破し、売上は2億円を超える今年で20周年の企業である。正社員・準社員:9名 パート・アルバイト:約40名で運営している。

 

光畑社長はモーハウスの他に、子育てと社会を結び付け、多様な生き方を提案する「NPO法人 子連れスタイル推進協会」や母乳生活全般の研究活動を行う「快適母乳生活研究所」、コミュニティづくりを支援する「mo-baco」の運営など、様々な活動を展開。授乳服を媒体としたソーシャルアクションを通じ、新しいムーブメントの創出に努めている。

 

学生インターンとして店舗を手伝った学生たちは、「子どもができたらどんな好きなことも諦めなければならないのかと思っていたが、出産後もこんなにできることがあるんだと勇気づけられ、価値観が変わった」と子連れ出勤スタイルをみて話しているそうだ。

 

NPO法人子連れスタイル推進協会では、企業や一般の見学会も受け付けている。

社会と育児が切り離されすぎているところを一体化させたいという活動で、行政事業の受託や復職支援などもおこなっている。子どもを言い訳にしない、どうやってうまく働いていくかという支援と同時に、大人の子どもへの声がけやタイミングなど対応方法も伝えている。

 

青山ショップの勝政店長と広報の宍倉氏によると、同社の子連れ出勤スタイル経験者は延べ300人以上になっているという。

 

 

 

↑子連れ出勤のスタッフさん(左)と勝政店長(右)

 

 

子どもの月齢やその子の成長に応じて事情はそれぞれだが、本社オフィスは1歳2か月程度まで、ショップは2歳くらいまでの子連れ出勤が可能だ。単身のスタッフとセットでシフトを組むなど工夫しており、子連れ出勤者は中2日あけるため月7~9日出勤、単身スタッフは月11~12日くらいの出勤シフトが多い。ショップは採用でも生後半年くらいまでの子どもがいるスタッフというのが基準。生後2~3か月の子どもの体調を見ながら週1回から始めるというスタッフもいる。

 

店長の勝政氏も、授乳しながらできる会議や、途中下車をせず周りの目も気にならない授乳服に助けられて、早くから復帰し店長業務を継続できた1人だ。

 

勝政氏: 「社会と早く繋がりたいという人も増えており、ここでしかできない経験を求めて遠方からの応募もあります。自分の子どもの成長をお客様と共有できたり、様々な情報交換ができたりと刺激も多いほか、社会に何かアクションをしたいという想いの人が集まりやすいのか独立・起業するスタッフやお客様もいますね。

子どもが生まれても何かできる、私にも始められる、という実体験をもってステップアップしていく方が多いです。」

 

同社を通じて活躍される人が増えていくこと、口コミで商品のよさが伝わることは自然と意図したムーブメントとなっている。代理店や広告費を支払うことよりもマネジメント工数のほうがメリットになるということだ。

 

 

子育て女性を含む「制約社員の活用」についてどう思うか尋ねた。

 

宍倉氏: 「怖がらないでぜひ活用して欲しい。タブーだと思って守りに入ったり、向き合わなくなってしまうのは勿体ない。特別扱いは余計にいづらくなってしまう人もいます。普通に1人の人材として制約があるだけ。逆に強みになることもあります。」

 

勝政氏: 「ママだけを集めた部署で甘やかしのような体制になってしまい失敗した例も伺います。責任はもちろん全社員に求められます。そして、制約はあるので全員が柔軟な体制とセットで運用すれば戦力にできます。例えば、預けられない事情があるときだけ子連れを認める、スカイプ会議参加を取り入れてみる、など、救済措置があるだけでだいぶ違います。」

 

 

同社ではほとんどが制約社員にあたる為、特別「制約社員の活用」と意識はしていないようだ。職責を果たしながらも制約と言われるような部分をどうカバーするかを会社が柔軟に受け入れている。ドライなビジネス側面とどう折り合いをつけるかが大事なようだ。

 

子育て女性の権利主張のみや過保護・甘やかしのような風潮は、逆に独身者や子どもがいない人材の反発が出てしまい、働き方改革や女性活躍の妨げになる。

人材不足・大介護時代と言われるいま、制約のある人材は増えていく。

ビジネスや事業としての成長と、柔軟な救済措置のバランスをとりながら、自社に合った経営戦略を模索してはいかがだろうか。

 

 

 

<取材後記>

 

まだまだ実態は経営戦略としての女性活用が進んでいないにもかかわらず、子育て女性の活用に違和感や反発が出ている風潮には危機感をもっていました。

女性側も権利主張の前に職責を果たす。同時に企業側も、いきなり子連れ出勤や大それた制度を導入するということに縛られず、小さなできることから柔軟な救済措置をとって、自社に合った成功体験を積んでいく、ということも必要な観点ではないかと感じました。

 

(妊娠中に取材に伺い、授乳が面倒でなく周りに気を遣わせない、授乳ケープ不要で湿度や二酸化炭素濃度の赤ちゃんへの悪影響がないというモーハウスのこだわりの授乳服のメリットを伺って、取材後にはマタニティから使える授乳ワンピースを購入させて頂いてしまいました!)

 

 

2017年8月

取材:ウーマンエンパワー賛同企業 事務局 (株)ママハピ 谷平

 

 

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