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働く2017/08/18

男性の家庭進出を支援する企業の具体的取り組みとは(ボーダレス・ジャパン、アデコ)

 

進行中の働き方改革。

今回は、まだまだ日本では進んでいない「男性の育休取得」など、「男性の家庭進出」について企業の取り組み事例を取り上げます。

 

 

厚労省調べでは、男性育休取得は2%台と、男性の家事育児参加の難しさを物語っています。

「ウーマンエンパワー賛同企業」事務局の取材において、取り組み企業の事例から少しでも賛同企業様の施策の参考になれば幸いです。

 

 

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まず話を伺ったのは、「ソーシャルビジネスで世界を変える」ことをめざし、社会起業家のプロフェッショナルが集うプラットフォームカンパニーとして2007年に田口一成氏(写真)により創業された(株)ボーダレス・ジャパン。これまでに、「差別偏見」「貧困」「環境問題」などの社会問題を解決する9事業12部門を国内外で展開し、2016年度売上は33億円。

 

 

2017年3月に発表した新体制では、ボーダレス・ジャパンは純粋持ち株会社制へ移行し、グループ各社のバックアップ機能(戦略/マーケティング/クリエイティブ/PR/人事/労務/経理/法務/ファイナンス等のサポート)を担当。

国内外6か国での事業をバックアップするほか、構築したビジネスモデル・アイデアを世界中に点在する同様の問題解決に広げることで、解決のスケール・スピードの最大化をめざしている。

 

 

「男性の育休取得や家庭進出」に関わる制度について、

同社では以下の制度を設けている。

 

こども手当 子どもが何人いても一人あたり一律最大3万円支給

 

家族の健康診断制度 社員の扶養する配偶者・両親まで

 

パパ育児特休 給与減額なし、合計14日間の隔日の休みを強制的に支給

 

 

特に面白いのは、3つ目の「パパ育児休暇」がまとまった休みではなく、隔日の休みを支給するという点である。一般的なまとまった休みだと、仕事の引き継ぎやブランクで業務に支障がでてしまい、結果、休暇を取得しない人が多い。その解決策として「隔日で休み」とする案が出たという。

また、「強制的に」取得させるという点も同社ならでは。任意だと休みをとらない、という人が多いなか、会社が強制することで「パパの育休取得」を当たり前にしたいという目論見だ。

 

 

2016年9月に第一子が誕生したリーさんが育児休暇をスタートし、これが本当に良かったということで正式に制度化したという。

 

 

 

リー氏:「はじめての育児に疲れてしまうママの気持ちを痛いほど理解することができたのもこの時期でした。

もちろん子どもに向き合う時間はママの方が長いのですが、少しでも育児の苦労を体験し、共有することができたことは、とても良かったと思っています。

また、話し相手になってあげられたということも、ママにとってはストレス軽減となっていたようです。やっぱり産後初期(1〜3ヶ月)はわからないことばかりで、何から何まで不安いっぱいで、ママ自身寝不足にもなり、リズムがつくれなかったりします。そんな時に、隣でただ話を聞いてあげたりするだけで、ママは心に余裕を取り戻すことができたようです。」

 

一番の意義は、「子どもも含めた新しい家族の関係性を再構築できたこと」だったそう。

「週末少しお手伝いする程度の育児参加だったなら、平日働いているのは自分、お前家にいて育児してるだけじゃん!というスタンスになっていたかもしれない」と語る。

仕事パフォーマンスに大事な「夫婦関係」にも大きなプラスの影響があったようだ。

 

ボーダレス・ジャパンではそのほかに、「保育特休制度」をもうけ、

子どものために始業後に出勤、就業前に退勤するのをやむを得ない場合、30分単位で有給を支給している。(各月、最大「1日の所定労働時間分」使用可能。)

例) 1日の所定労働時間が10:00〜17:00の6時間の人の場合、毎月最大6時間取得が可能。有給扱い。※子どもの看病、通院、お迎え以外では使用できない。

 

「時短勤務」でママは時短で勤務が可能。(通常就業時間は9:00〜18:00だが、10:00出勤、17:00退勤が可能)

職場に子どもの同伴もできる。

 

 

企業として、誰もが活躍しやすい組織になっていくことを支援していく取り組みは注目だ。

 

 

続いて、人材サービスのアデコ株式会社で、実際に育休を取得した男性に話を伺った。

 

 

妻、長女(2歳)、長男(0歳)と4人家族の市川純太さん。I&R東京支社所属。

 

 

社内でお二人目という男性育休取得者の市川さんに

お子さん2人目で育休を取ろうと思ったきっかけについて聞いてみた。

 

 

市川氏:「主な理由としては、二つあります。一つ目は、私の妻はアパレル企業でエリアマネージャーを務めているのですが、結婚や出産後も働き続けたいという意思を持っていたため、その思いを尊重したかったこと。二つ目は、一人で家計を支えるのにはリスクもあるので、ずっと共働きしていこうと結婚前から話し合っていたためです。
ただ実際のところ、第一子の出産後は、育児・家事は妻に任せきりのワンオペ育児でした。
出産後3か月は、妻の実家でお世話になれたことや、私が「妻が育休中は、育児・家事に専念できるのだから任せられる」という甘い認識でいたため、私は以前と同じように残業する働き方を続けていました。

 

そんななか、妻が2016年4月から職場復帰するのを機に、それまで妻に任せきりだった育児と家事を分担することになったのですが、その時初めて、私が今までのような働き方をしていては、共働き生活が立ち行かなくなることに気づきました。「育児と仕事の両立」がいかに大変であり、急に生活スタイルや働き方を変えようとしても難しいということを痛感したのです。
加えて、その時期には第二子の妊娠が分かっていたため、「妻が働き続けるためにはどうしたら良いのか」という原点に立ち返り、妻と話し合うなかで、次の復職後にはしっかりと生活が回るように、私自身の働き方を見直し、育児スキルを習得することが必要だと感じました。
そこで、思い切って第二子誕生後に私が2か月間育休をとり、育児に専念することにしました。育休取得にあたっては、上司や周囲へも相談し、快く承諾してもらうことができました。

 

育休を経て、今では私が育児を担えるようになり、家事の分担も見直しました。以前よりは妻と協力しながらできるようになったと思いますが、もちろん思い通りにいかないこともあるため、職場で仕事を調整してもらったり、妻とスケジュールを突き合わせながら「育児と仕事の両立」を目指して、日々試行錯誤しています。」

 

 

 

Q.やってみて感じたことや発見、気づきはあったのでしょうか?

 

 

 

市川氏:「昨今、『女性の活躍推進』が声高に叫ばれていますが、育児をしながら(または育児を終えてから)働き続ける女性が仕事で活躍し続けるためには、パートナーをはじめ、周囲のサポートは必要不可欠だと思います。現在、私は妻と二人で「育児と仕事の両立」に取り組んでいるわけですが、もしも私一人で子供二人の育児をいわゆるワンオペ育児で仕事の両立をすると考えると「ちょっと無理だな……。」というのが、率直な感想です。
育児をしながら働く女性の多くが、ワンオペ育児であるという日本の状況を考えると「すでに十分頑張っている」状態で、これ以上「活躍しろ」と言っても、それはとても厳しいのではないでしょうか。また今後、女性が出産・育児後も働き続けることが当たり前になっていくと、男性が育児の主な担い手になるというケースが増えてくると思います。それには、職場の理解や環境整備も必要になってくるため、「育児と仕事の両立」には性別関係なく、『プライベートの環境整備』と『職場の環境整備』両方が必要になってくると感じています。
(個人的には今後は『男性に向けた育児と仕事の両立支援』が必要になってくると思っています)

 

 

Q.仕事にいかせると感じた点はありますか?

 

 

 

市川氏:「『育児』をする時間を確保するため、今までのやり方を見直すなど、仕事を効率良く進めるよう工夫するようになりました。例えば、同じ成果をあげるためにより生産性が高い方法を考えたり、これまでは自分だけで行っていたことを周囲の協力を仰いだり、成長を促すアドバイスや教育する等、周囲へ働きかけをするようになりました。
現在、自治体とともに「女性の活躍推進」や「働き方改革」に取組んでいるのですが、「育児と仕事の両立」に必要なことを考える際に自身の育休体験は非常に役立つことが多く、さまざまな場面で非常に良い効果がでていると感じています。」

 

 

周りのパパさんへのアドバイスやメッセージがあればお願いします。

 

 

市川氏:「一番伝えたいことは、「育児は大変だけどすごく楽しい」ということです。正直なところ仕事の場合「その時でないと出来ないこと」は、それ程多くはないと思いますが、「子供の成長」はその時でなければ二度と見られません。その成長を見られる貴重なチャンスがあるのに、それを見逃すのは非常にもったいないことです。実際、私の場合、第一子の成長をあまり見ていなかったことを非常に後悔しています。
また、経済的にも一人よりパートナーとニ人で働き、収入を得た方が負担は少なくなります。
もしパートナーが「働き続けたい」という意思を持っているのであれば、パートナーとニ人で「育児と仕事の両立」をしていけるよう、じっくり話し合うことでパパの負担も減るのではないでしょうか。パパもママも『頑張りすぎない』ことが、両立を生活に根付かせ、長続きするコツだと思います。」

 

 

アデコ人事部では、今後も柔軟な働き方を進めていきたいとのこと。

 

 

「アデコでは、性別に関わらず育児休業を取得いただける制度を整えており、市川のようにお子さんの誕生後に男性も育休を取得できます。
育児休業取得後も、時短勤務やフレックス制度を利用して柔軟な働き方が可能なため、仕事と子育ての両立が比較的しやすい環境を整備しています。
また、社員一人ひとりが、自分に合った働き方を選択することで、育児休業を取った後も多くの方が幅広い職種で活躍されています。」(アデコ株式会社 ピープルバリュー本部)

 

 

まだまだ男性に育休を取らせる難しさを感じている日本企業も多いですが、

これを機会に中長期の本質的なメリットを考え直し、

施策にいかしてみてはいかがでしょうか?

 

 

取材:ウーマンエンパワー賛同企業 事務局 (株)ママハピ谷平

 

 

 

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