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働く2016/02/27

【特別インタビュー】認定NPO法人フローレンスの働き方革命(事務局長 宮崎真理子氏)

 

今回の特別インタビューは、病児保育事業をメインに、保育事業を展開する認定NPO法人フローレンス(千代田区/代表理事:駒崎弘樹氏、16年2月現在スタッフ377名)さん。事務局長の宮崎真理子さんは大手アパレルメーカー、人事コンサルティング会社を経て08年に入職され出産・育休を経て管理職として復帰しました。同社が2008年から取り組んでいる「働き方革命」についてお話を伺いました。

 

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◆ママハピ谷平:働き方革命というのは具体的にどのような背景で始まり、具体的にどのよ

うなお取組みなのでしょうか?

 

 

◆宮崎氏:もともとは優秀な結婚したばかりの女性社員が急に辞めることになったことがきっかけです。立上げ当初はみんなガツガツ働いていたわけなのですが、「このままでは家族の理解も得られない」と。もっと組織を大きくしていくために、どんな人でも働けるようにしなければいけないと2008年頃から業務効率化による長時間労働改善が始まりました。

翌年には残業平均が15分程度になり、東京都のワークライフバランス認定企業に認定されました。

 

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ファミリーデー2015(年に1度、スタッフの家族をオフィスに呼んでフローレンスのビジョンや事業を
説明し、お互いに知っていただく会。夏休み時期に開催するため、子どもたちの多くが参加)

 

 

 

◆谷平:具体的にはどんなことをされたのですか?

 

 

◆宮崎氏:例えば会議改善。メインメンバーとサブメンバーに分けて、参加人数は必要最低限にし、アジェンダによってメンバーを変えるなど非効率時間を減らしました。1.5時間を超えない、とか、ここまでに決定判断をする、などルールを色々とつくったり、夜遅い開始の会議なども廃止しました。

 

それから在宅勤務を導入しました。導入当初、在宅ばかりだと煮詰まる社員も多かったので動画で在宅のルールを研修したうえで、週1の簡単な事前申請制にして、今ではオフィスの約80名近くの1割は毎日在宅を誰かしらがしている状態ですね。

 

2業務改善にはストップウォッチ(スリムタイマー)をPCに導入して、誰が何にどのくらいの時間を使っているかチームごとに分析しました。最初は全てが明らかになることに抵抗感がある人もいましたが、結果的に「どうやって業務を効率化するか」ということにみんなの意識が向き、大幅に業務改善できましたし毎年増収を続けています。

あるチームはマネージャー決裁に時間がかかっているというボトルネックが発見されたり、何となくわからなかった要因が見える化したんです。

メール処理迅速化のために件名などにルールをつくったり、仕事の文書化(マニュアル化)による属人要素の排除なども取り組みました。

 

 

 

 

◆谷平:女性が継続してやりがいのある仕事ができる会社に必要なこととは何だと思いますか?

 

 

◆宮崎氏:労働力減少のいま、従業員のライフスタイル変化に応じてきちんと活躍できるステージを用意しなければ組織の存続にかかわる時代です。とにかく従業員と向き合ってきちんとヒアリングしたほうがいいです。

女性側も、何かを待っていればいいのではなく、こうなればもっと力を発揮できる、という対話をきちんと「批判ではなく提案」する力をつける必要があると感じます。

 

 

◆谷平:今までのやり方を捨てて時間外労働を減らすというのは経営リスクになると懸念する企業も多いですよね。

 

 

◆宮崎氏:活躍させたい層にインタビューしてみるといいんじゃないでしょうか。子育て層といってもシングルの方もいれば共働きの方もいる。親など近くにサポートがある人もいれば頼れる人が近所にいない人もいる。同じ層でも1人1人違うのでひとくくりにできません。ヒアリングしたうえで、いま手を打つべき策は何なのか、です。

フローレンスは管理職の7割が女性、8割は子育て女性ですがずっと増収です。

子育て中だからといって何のマイナスもありません。

 

 

◆谷平:日本でNPO法人でここまで大きな組織作りをされた例は少ないと思いますが、人材戦略のプロとして何がよかったと思いますか?

 

 

◆宮崎氏:机上の空論ではなく、実際に「従業員の困っていること」を制度化してきたことが良かったと思います。

例えば看護休暇。子どもの看病などでの利用は当たり前の認識がありましたが、義理の親の通院にも使いたいという声が出てきて、これも確かに看護だよね、と子どもだけでなく親も対象に変更しました。

また、LGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダー)の社員から、同性婚であっても慶弔休暇の対象にしてほしいと言われたことがきっかけで、結婚の証明書が無くても慶弔休暇を取得できるよう就業規則を変えました。さらに、応募時に使用する履歴書に「男・女」しか記載がなく、性別を選べなくて困るという意見から、履歴書のフォーマットを「自認の性をお選びください」と変更したりしました。小さな改善の積み重ねが重要だと思います。

 

 

◆谷平:ビジョンと行動指針も新しくされましたよね。

 

 

◆宮崎氏:実現したい社会やミッション、そして行動指針をフローレンス・ウェイというものに言語化しました。判断に迷った時も立ち返るベクトルになります。

 

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10周年にオフィスにみんなで書いたビジョン・ミッション図

 

<フローレンスway>

1.“チームフローレンス”でいこう!

2.飛び込め!われらの現場に

3.ゴーゴー!”前のめり”

4.戦略脳、フル回転!

5.アイデア相撲を取れ!

6.ハート♥と生産性の両輪で走れ!

7.リスペクトのレンズを着け、世界を見る

8.変革者たれ

 

 

◆谷平:ちょっと目線を変えて、宮崎さんは11歳と5歳のお子さん(2016年2月現在)のママでもあるということで、例えばの1日のスケジュールやママさんへのメッセージもぜひお願いします。

 

 

◆宮崎氏:私が入社時から手放さなかった価値観は、「夕食を子どもたちととること」です。とにかく一緒に夕ご飯をとれれば何でもいいので惣菜や外食でも(笑)。1日の例ですがこういう感じです。

 

5:30 起床

7:30 出発(朝の子どもの送りは夫の担当)

9:00 出社

17:00 退社して2人の子どもたちを学童・保育所からピックアップ

19:00 夕食と宿題チェック、お風呂

21:30 子どもを寝かせる(一緒に寝ることもあればまた起きて頑張ることも)

 

あれもこれもつかもうなんて無理だと思うんです。これだけはかなえる、これは50点でもOK、など自分で優先順位を決めていくことが大事だと思います。

 

 

◆谷平:貴重なお話ありがとうございました!

 

 

 

認定NPO法人フローレンス 事務局長 宮崎 真理子

 

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<プロフィール>

大手アパレルメーカーからベンチャー企業に転じ、マーケティング、人事を経て、2008年フローレンスに入社。働き方革命事業、病児保育事業、小規模保育事業のマネージャーを歴任後、現職。ディレクターとして組織運営全般を行う。また、日本の長時間労働の働き方を変えるため、自社の働き方革命を推進するとともにその成果を広めている。働き方革命についての講演、女性のキャリア・チームビルディング研修など多数。

筑波大学大学院教育研究科カウンセリングコース修了。JCDA認定CDA

 

 

 

※後記(谷平):最近、病児保育サービス登録を開始したところ、なんと2分で200名が埋まってしまってまだまだ供給を増やしたいのだというフローレンスさん。子育て経験が7年あればスタッフにエントリーできるそうです。座学とOJTを経て認定されるとデビューできるということで特に足りない首都圏を中心にご興味がある方はぜひ病児保育スタッフ(こどもレスキュー隊員)の門を叩いてみてください。

 

▼詳細ページ

http://byojihoiku.florence.or.jp/saiyou/

 

病児保育スタッフ懇親会

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病児保育は、急などうしても休めない仕事の際に頼れる実家や友達がいない人にとってはライフライン。

潜在的ニーズも相当大きい病児保育もインフラが整い、誰もが笑顔で働く社会に近づいていく未来を創りたいですよね。

「働き方革命」で日本を変える。とても素敵な挑戦に勇気をいただきました。

 

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