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こころと体を養う Happy親子薬膳~アレルギーのはなし④ 食物アレルギー

 

食物アレルギーとは


食物アレルギーは、特定の食物を食べたときにからだを守る免疫システムが過敏に働くことによって起こります。最も頻度の高い症状は皮膚のかゆみやじんましん、湿疹などで全体の9割弱を占めますが、目やのど、消化器、鼻、気管支や肺、循環器などにも症状が出ることがあり、時にはショック症状を起こすことがあります。

 

 

特定原材料7品目

えび かに 小麦 そば 落花生

 

特定原材料に準ずる20品目

あわび いか いくら オレンジ カシューナッツ キウイ 牛肉
くるみ ごま さけ さば 大豆 鶏肉 バナナ
豚肉 まつたけ もも やまいも リンゴ ゼラチン

 

Q.毎日同じものを食べるとアレルギーになりやすい?

A.根拠はありません。中にはそういう人もいますが、ならない人もいます。食物アレルギーに関してはいろいろな説があり、どれも間違いではありませんが、偏った食事は避けたほうがいいと思います。

 

 

食物アレルギーの背景


近年、先進国を中心に食物アレルギーは増えつつあると言われています。子供に食物アレルギーが多いのは、まだ成長途上のため消化機能が未熟なので、アレルゲンであるタンパク質を分解することが出来ないことが一つの要因と考えられていますが、成長するに連れて消化吸収機能が発達し、原因食物に対して食べられるようになるとされています。最近では乳児(1歳以下)に多く、おおよそ10人にひとりが発症しています。根本的な治療方法がないと言われていますが、食生活が変化し、アレルギーを起こしやすい食物をよく食べるようになったことが原因のひとつと考えられています。

 

 

もし発症してしまったら

  • まずは自己判断を避けて必ず病院へ行き、専門の医師に食物アレルギーかどうかを診てもらうようにしてください。
  • 食物アレルギーには、治療薬はありません。原因食物を除いた食生活を行い、食物除去中は、特定の栄養素が失われないよう、代替食品を採り入れます
  • 主な原因食物(特に卵、乳、小麦)を中心に、子供は徐々に食べられるようになる傾向があります。しかし、食べられるようになったかどうかは皮膚テストや血液検査からは分かりません。その判断は難しいため医師の指導のもと慎重に行ってください。

 

食物アレルギーを緩和する漢方薬やハーブがある?


最近、いくつかの薬用植物が食物アレルギーの発症を抑制することが報告されています。漢方薬でおなじみの葛根湯に含まれている葛の主成分が腸管での免疫細胞に何らかの作用を及ぼし、アレルギーを抑えているというのです。葛根湯以外にも、メディカルハーブの中には、フラボノイドなどの有効成分が食物アレルギーの体質をいくらか改善されるものがあるということで、今後の研究に期待が持てそうです。

 

バランスの良い食生活を


食事に気をつけるといっても「身体によいものを食べないとダメ」と頑張りすぎるとストレスが溜まります。食べられないものを我慢するばかりではなく、それに代わる代替食品も最近はおいしくなってきました。上手に採り入れましょう。また、バランスの良い食生活として「レインボーフーズ」「ビタミンD」をご紹介します。

①レインボーフーズ・・・7色の野菜や果物をまんべんなくとる方法。野菜や果物の色は含まれており、フィトケミカルに由来します。赤・紫・橙・黄・黒・緑・白の7色を上手に採り入れましょう。

②ビタミンD・・・ビタミンDは免疫反応の調整に重要な栄養素です。食品としては干しシイタケ・きくらげに多く含まれます。紫外線を浴びることでも体内で合成されるので、夏なら30分程度の日光浴をすることも効果的です。

 

最後に


4回にわたりさまざまなアレルギーについてその原因や対処法をアロマテラピーやハーブ、食べ物など自然な形で採り入れる方法をご紹介してきました。幸いにもアトピーで苦しんだ長男は今ではすっかりアトピーが治り、生活に支障はありません。子どもが苦しいと親も苦しい。頑張りすぎず、まずはできるケアをお子さんそれぞれの症状に合わせて解決していけたらと願っています。

 

【参考】 AEAJ機関紙2019年91号・JAMHA機関紙2020年54号

急速経口免疫療法と葛根湯の併用による食物アレルギー 疾患に対する根本的治療法の創出  ―東西医薬学の融合によるトランスレーショナルリサーチ―https://www.pref.toyama.jp/documents/3055/01414887_2.pdf

 

加藤和歌子 調布市在住。AEAJアロマテラピーインストラクター、ハンドケアセラピスト、アロマブレンドデザイナー、JAMHA ハーバルセラピスト、薬膳コンシェルジュ、アートクレイシルバーインストラクター

★出産後の体調不良がきっかけで 自然療法の素晴らしさを学び、アロマ&ハーブ、中医学に目覚め、様々なスクールで学ぶ。調布市内の特養でアロマハンドケア、自宅で「アロマ&薬膳食講座」の開催、活動の幅を広げていこうと現在も勉強中。アロマで「香り」を、ハーブで「色」を 薬膳で「食」を、五感で楽しむワークショップを開催中です。

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