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こころと体を養う Happy親子薬膳 ~こどもの薬膳の考え方②~

前回はこどもの体の特徴と病気についてご案内しました。一応まとめるとこどもの病気は
①伝染しやすく、しかも変容する
②病気になっても回復も早い

 

 

 

ですので、すぐに病院に連れていかないと!と心配もしますが、様子次第では家での食事や養生でなんとかできる症状があるので、ひと呼吸してから対処することも大事です。

 

 

そこで今回は食材のもつ効能を上手に使う方法を簡単にご紹介したいと思います。
こども時代にたくさんの味を覚えることは性格の形成、脳の発達に影響します。なるべく素材の味、季節の味をこどもの頃から味わってほしいものです

 

 

【おススメする食材の性質について】
食材には伝統的に寒、涼、温、熱、平性という5つの性質があります。加熱した物理的な性質、冷蔵庫で冷やした状態を指しません。また、味も、すっぱい、苦い、甘い、辛い、塩辛い、あわいはっきりしない味があります。薬膳料理は食材のもつこれらの組み合わせを状況により使い分けます。

 

 

①温性の食材…子どもの消化器系は未熟です。子どもは冷たいものを好みがちですが、冷たいものは脾胃を冷やしますので、なるべく温かい性質の食材を選びましょう。
にら、かぼちゃ、肉類、いわし、鮭、海老、桃、みかん、木の実など

 

 

②平性の食材を多めに取り入れる…温めすぎず、冷やしすぎない性質の食材です。こどもは肝機能が興奮しやすい特徴があるので、肝を穏やかに保つ平性の食材を使うのがいいでしょう。1年中どんな体質にもどんな病気にも利用できるので、献立も立てやすいと思います。
米、とうもろこし、キャベツ、にんじん、イモ類、ぶどう、レモン、黒ゴマ、豚肉、かつお、いか、ほたて、くらげ、大豆製品、牛乳、チーズ、はちみつ、砂糖など

 

 

③涼性の食材を上手に応用する
暑い夏は体を冷やす涼性の食材を使ったほうがいいでしょう。発熱や精神不安定、興奮しているときには体を熱くする食材はおすすめしません。
小麦、そば、栗、セロリ、ホウレンソウ、きゅうり、トマト、冬瓜、なす、大根、りんごなど

 

 

④甘味の食材と砂糖を使い分ける
甘味の食材は消化機能を調節するのでおすすめです。米、イモ類、豆類、肉類などです。食材に含まれている自然の甘味はこどもの体に十分糖分を供給できるので砂糖を余計にとる必要はないでしょう。こどもは甘いものを欲しますが、砂糖を多く含む加工品など食べすぎると胃や大腸、小腸の働きが妨げられ、消化不良になりがちです。特に湿度の高いときは肥満、アトピー、湿疹など皮膚トラブル原因にもなりがちです。ジュースや飴などは虚弱体質となりますので適度にしましょう

 

 

⑤鹹味(かんみ)食材は元気のもと
鹹味とは塩味のある食材です。魚介、肉類(レバーも)などが主な食材です。これらの食材は血をつくり、脳の発達を促進し、身長を伸ばし、性機能を発達させます。中医学では動物性の食材を「血肉有情の品」と呼び、脳と体を養うのによいとされてきました。元気の素を作るのでおかずに魚と肉、どちらかは食卓にあるといいでしょう。

 

 

 

それぞれの食材のもつ自然の力を使って、お子さんの体とこころの状況を整えるのが薬膳です。この力を知っていれば、食材を見る・使う力が養われます。次回は具体的な症状へのアプローチをお伝えできれば、と思います。

 

 

加藤和歌子 調布市在住。AEAJアロマテラピーインストラクター、ハンドケアセラピスト、アロマブレンドデザイナー

JAMHA メディカルハーブコーディネーター、薬膳コンシェルジュ、アートクレイシルバーインストラクター

★出産後の体調不良がきっかけで 自然療法の素晴らしさを学び、アロマ&ハーブ、中医学に目覚め、様々なスクールで学ぶ。調布市内の特養でアロマハンドケア、自宅で「アロマ&薬膳食講座」の開催、活動の幅を広げていこうと現在も勉強中。アロマで「香り」を、ハーブで「色」を 薬膳で「食」を、五感で楽しむワークショップを開催中です。

https://ameblo.jp/wakatomonanako/