ママハピ

お手伝いで育む子どもの豊かな手先の感覚

新学期が始まると、やる気いっぱい元気いっぱいのお子さんや、

ちょっとドキドキしていて、これから楽しいことをたくさん見つけていくお子さんなど様々な姿を見かけます。

春は、子どもにとってもママにとっても楽しみでもあり緊張でもある。そんな季節で す。

 

我が家の次男も、入園したときには兄の姿をみかけると兄ばかり追いかけて、それでも一生懸命に大きなリュックを背負い、自分でバッグをもっていこうとする姿がとてもかわいらしかった記憶があります。

 

そんな春は、「学年が上がった」「新しいお友だちができた」という変化の中で「自分はお兄さんになったんだ、お姉さんになって嬉しいな」そんな気持ちを抱くことがあるようです。

 

チャレンジしたい気持ちが強い春は、お子さまに「お手伝い」に挑戦してもらってはいかがでしょうか。さらにやる気アップや自信につながるかもしれません。

 

 

食に関する「お手伝い」というと、テーブルを拭いたり、お箸を並べたりというお手伝いや、キッチンで一緒にお料理をするという食事の準備に直結するイメージが強いかもしれませんね。ですが、実はもっと簡単で、楽しくて、幼児期こそおすすめなお手伝いがあります。

 

それは、「手先の感覚を豊かにする」ということを目的としたお手伝いです。

 

 

手先の感覚は、2、3歳のお子さんで、大人が軍手を2枚はめた状態。4、5歳のお子さんは、軍手を1枚はめたような感覚だと言われています。

 

もし、軍手や手袋があったら、実際にはめてみてください。

 

玉ねぎの皮はむけそうですか?

そら豆の中身をうまく取り出せそうですか?

お箸はうまく使えそうですか?

 

実際に体験してみると、とっても難しいということが分かります。

 

「こんなに難しいことを頑張っているんだなぁ」そう思うと、我が子をさらに愛おしく、成長を感じるきっかけになったりもしますよね。

 

 

そんな手先の感覚は、使えば使うほどとても感覚が豊かに鋭くなるそうです。

 

そこでおすすめの簡単なお手伝いと声掛けを4つご紹介しますね。

 

①枝豆のさやから豆をとり出す

 

枝豆を「キュッ」と押すと、中からお豆が飛び出しますよね。子どもはこの作業が大好きです。ときどき目標のお皿から飛び出してしまうこともあるでしょう。「あ!おまめさんにげちゃったね!つかまえよう!」など楽しい声掛けと共に一緒に作業をすると、「つまむ」という感覚や「力加減」を学ぶきっかけになります。

②お団子を丸める

 

生のお肉や、白玉団子などを触るだけでも、子どもにとっては新しい感覚です。「つぶれないようにふんわりやさしくね」とお手本を見せながら一緒にやってみてください。子どもの手のひらよりも小さいお団子がオススメです。

③レタスをちぎる

 

2歳さんでも活躍できるお手伝いです。繊維に沿ってちぎる、繊維を断つ方向にちぎる、斜めにちぎるなどたくさんの方向で楽しく遊び感覚でできるといいですね。

 

④食材を揉む

 

漬物でもいいですし、お肉の下味付けのお手伝いもおすすめです。食材によって、温度や柔らかさなど触感は違います。「つめたいね」「柔らかいね」「ごつごつしてるね」「ふにゃふにゃしてるね」など、指先に意識がいくような声かけが、感覚が豊かになるポイントです。

お手伝いをお願いすると、どうしても「きちんと」やることや「ていねいに」やることに注意がいきがちですが、「今、この子の手先の感覚は豊かになっているんだなぁ」という視点で、見守ってみると、お子さんの頑張りをより感じられるようになったり、夢中になるお子さんの一生懸命な眼差しがさらに愛おしく感じられることでしょう。そして、お手伝いと同時に「食」に興味を持つきっかけづくりにもなる、素敵な親子のコミュニケーションの時間をお過ごしくださいね。

 

 

プロフィール

石井千賀子

キッズ食育トレーナー/青空キッチン大田区久が原校主宰/薬剤師

東京都大田区在住。2児(8歳、6歳)の母。

出産後、薬剤師として医療に携わる中で、子どもたちの心身の不調が増えていることに気づく。また、自身の子どもの喘息・アトピー性皮膚炎など、子どもの健康に不安を感じることが増えた。どうしてなのかと考え着いた先は、体を作る土台となる「食」。たくさんのことに興味関心をもつ幼児期に「食選力」を身につけ、自分の身体、そして将来、大事な人の身体も大切にできる大人になってほしい。その想いで、青空キッチン、食育イベントを大田区を中心に開催している。

ブログ:https://ameblo.jp/chikakoishii/

インスタグラム:@chikako2770