ママハピ

子どもの視野は大人の6割!言葉がけで子どもの成功体験を増やす方法

子どもが見えている世界を考えたことはありますか?
公園で遊んでいて、目の前の小さな石に気が付かず、引っかかって転んでしまった。
目の前にあるコップに気が付かず、コップを倒してしまった。など、子どもにはよくあることです。

時に可愛らしいなぁと感じる子どもらしさではありますが、私は息子たちが小さいときに、「見たらわかるのになぁ…どうしてだろう?」と不思議に感じたことがありました。その理由が分かった今では、言葉がけを工夫し、子どもの心も自分の気持ちも楽にすることができるようになったので、ご紹介します。

一番大切なことは、大人に比べて本当に子どもは視野が狭くて見えていない!ということを、大人が知ることです。子どもが興味関心を持った時の熱心さは驚くべきもので、猪突猛進してしまうこともあるかもしれませんが、子どもたちは、気が散漫なわけでも、注意力不足なわけでもないのかもしれません。

子どもの視野について、児童心理学者ステイナ・サンデルスが行った実験があります。
この実験結果から、6歳児の子どもの視野はおおよそ大人の60%であることが分かりました。縦も横も半分くらいしか見えていない。と思うと、考えただけで子どもの見える世界の狭さに驚きますよね。

そう思うと、ちょっと横にずれた食卓のコップに気が付くことは難しいかもしれません。目の前にある探し物を、「えーどこにあるの??」と聞いてしまうかもしれません。

6歳児が、大人の60%しか見えていないとすると、2歳や3歳といったこれからたくさんの経験を積む幼児期のお子さんには、「気を付けてね」という言葉がけ自体、なかなかハードルが高いことのように感じます。

それが分かると、日々の食卓で、コップを倒さずごはんが食べられた。お皿を落とさなかった。食卓のフォークやスプーンを見つけて食事を始めることができた。ということは、それだけでも、褒めてあげられるポイントです。今子どもたちは、素晴らしいことをしていて、成長しているんだ!と、子どもの成長を愛おしく、嬉しく感じることができると思います。
コップを置くときには、「○○くん、コップをここに置くね。」と一度子どもの注意を向けることで、「コップを倒さない」という成功体験を得ることができます。お母さんにとっても、コップが倒れることによる大惨事を防ぐことにつながります。

例えば卵を割るお手伝いをしたいとやる気満々で来てくれたら、割った先に用意するボウルは、大人が割る際の、一回り、二回り大きいものを準備してみてください。子どもの視線は卵にしかないため、その先どこに卵が落ちるかまでは見たり考えたりすることができない可能性があります。そこで、お母さんが大きいボウルを用意するだけで、こぼさず中に割ることができた、という成功体験につながります。

子どもはいつも全力で一生懸命です。それでも失敗してしまうのは、視野が狭くて気づかないからというのも一つの要因です。ですが、大人の働きかけや、工夫した言葉がけは、子どもの小さな成功体験を増やし、次へのやる気をアップさせることができます。そしてなにより、お母さんに余裕ができることで、子どもの小さな成功に気が付き、我が子をさらに愛おしく感じることができるようになるかもしれません。

焦らなくても、成長と共に子どもの視野は広がっていき、「コップをここに置くと倒れやすい」「スプーンはこう使うとおかずをのせやすそう」といった食事だけでも様々な経験を通して予測脳が発達していくので動作がスムーズにできるようになります。焦らずに、お子さんを見守って、小さな成功をたくさん喜んでいきたいですね。