チャイルド・ファミリーコンサルタントの山本直美です。
今年は遅い夏休みをいただき親戚に会う機会がありました。
なかなか普段会えない親戚ですが、
昨年他界した父の兄弟で、90歳になる私の伯父がとても元気でびっくりしました。
その伯父は、颯爽と歩く姿や字が上手な印象のあるとても賢い人でしたが、
今は伯母が入院をしているため、
基本的な生活は自分一人で頑張っているとのことでした。
そんな話を聞いている中でとても印象的だったのが、
週3回通うデイケアで、
得意の将棋や囲碁をお仲間に教えていること、
そしてお仲間や他のグループの方から“先生”と呼ばれていること、
などをとても嬉しそうに話してくれる姿でした。
“先生”と言われることが嬉しいということではなく、
自分の得意分野を尊重され頼られていることが嬉しいという、
なんとも誇らしい笑顔がとても清々しかったのです。
ともすれば、人は年配の方に対して敬う気持ちから、
手助けをしたり代わりに何かをしてあげることが多くなりがちですが、
もしかしたら年配の方に対してこそ、
その存在やできる事を尊重し認め、
頼ることもまた大事なことかもしれない、
とそんな伯父の姿を見て改めて感じました。
また、今でこそダイバーシティ的には一概に言えない感覚ですが、
私たちの両親世代では家の主に対して
「主人」とか「旦那さま」というのがごくごく普通なことだった頃、
もしかすると家を支える立場の人を尊重し頼ることで、
それが一家の主にとっては喜びとなり、家族の長(おさ)として頑張ることができた、
なんてこともあったのかもしれないと思えてきました。
そんなことを考えながら、自分が幼稚園の先生になった一年目に、
子ども達から“先生”と呼ばれることで
「頑張らなくては!」と奮起した頃の初心を思い出しました。
年齢に関係なく、自分ができる事に一生懸命取り組むことはまさに自己実現であり、
それを以って人から尊重され頼りにされることが、
人生において何よりの生きる支えや活力になるのかもしれない、
と人生の大先輩の伯父に教えられた気がします。
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