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働く2018/11/22

女性活躍で最初にすべきこと、連動すべきことは?(イオンモール株式会社)

ウーマンエンパワー賛同企業」事務局では、賛同企業様の施策の参考になればという想いで、様々な企業事例や取り組みの取材をしています。

 

今回は、ショッピングモールの開発から運営までを行う商業ディベロッパーであるイオンモール株式会社(千葉県千葉市美浜区)人事統括部 ダイバーシティ推進グループにお話をお伺いいたしました。すべての人が活き活きと働く職場の実現を目指し、ダイバーシティ推進に取り組まれている同社からヒントを探りました。

 

 

 

Q. 女性活躍推進/ダイバーシティ推進に本格的に取り組もうとされた背景は何だったのでしょうか?

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ダイバーシティ推進の取り組みは2007年にスタートしましたが、大きな転機は2013年でした。自社で設置・運営していたイオンモールに加えて、イオンリテール株式会社のモール型商業施設の運営を当社に集約するという事業再編のなかで、出向者を多数受け入れ、新入社員数も前年までは20~30人だったところ2013年から100人規模に増やしました。多様なバックグラウンドや価値観を持つ社員が働くようになり、必要性をさらに感じたことがダイバーシティ推進を本格化するきっかけになっています。

 

 

Q.具体的にはどんな取り組みをしたのでしょうか?

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大きく分けると次の5つの取り組みを導入しました。

 

① 制度改善

子育てと仕事の両立支援においては、当初より他社に引けを取らない制度設計となっていました。育児休暇は子どもが3歳になるまで、育児時短勤務制度も小学校卒業まで取得ができます。また、転居を伴う異動が発生しない「地域限定(コミュニティ)社員制度」、正社員か地域限定社員を柔軟に選択できる「スイッチング制度」リ・エントリー制度など、ライフステージが変化しても働き続けられる土壌は整っていました。実際女性社員は、ほぼ100%が育休を取得し復帰をしていますし、地域限定社員制度を活用している社員も全体の10%程度が利用しています。しかし地域限定社員制度は、これまで目指せる職位が課長職までと制限がありましたので、昨年度キャリアの制限を撤廃し、部長職まで昇格できるように変更しました。

また女性社員は育休を取得し100%復帰していますが、男性社員の育休取得が少なかったことから、「きらきら休暇制度」という年次休暇以外に2日間、育児やリフレッシュなどに使える制度を新たに設けました。今年度の男性の育児休暇取得率はこれまでの一桁台から17%と徐々に利用が増えてきています。

 

② 制度や多様な働き方の周知

産休に入る前から復職までの申請の流れや制度をまとめたガイドブック「育なび」をつくり、妊娠の報告があった社員と新入社員にもお渡ししています。
また社内イントラネットでは定期的に、当社で働くさまざまな従業員がどのような働き方をしているか紹介しています。子育てをしながら働かれている社員、外国籍の社員など多様なバックグラウンドを持つ社員が活躍している様子を紹介することで、自分の今後のキャリアをイメージしてもらう機会にしています。

 

③時間外労働の削減

時間外労働削減はここ数年取り組みを強化しています。全従業員の出退勤はシステムで管理し、時間外労働の多い部署は一覧にして、経営層に労使協議会で原因分析を含めて報告、管理職には社内イントラで確認できるようにしています。管理職の時間意識が高まり、各部署で業務の効率化に取り組むようになり、好事例は会議体等で全体に共有しています。

また、2016年から全従業員の業績評価にも反映するようにし、従業員は目標の1つに必ず生産性向上や業務の効率化に関する項目を設定することにしています。さらに優秀従業員表彰の要件にも労働時間の基準を設けるなど、会社全体で取り組みを進めた結果、この3年で時間外労働は一気に削減でき、平均月7時間となりました。

 

④研修

女性活躍推進委員会を2012年に立上げ、女性向けに外部講師をお招きしてキャリアプランを考える研修を実施しました。2015年からはイオングループ全体で、管理職を目指す女性のキャリアアップ研修の実施や、管理職向けにユニバーサルマナー研修などを実施しています。2016年には、初めて全部長職以上を対象にLGBT研修もおこないました。

LGBTという言葉自体初めて聞いたという従業員も多く、少しずつ啓蒙しています。

 

⑤イオンゆめみらい保育園

以前はハードルの高かった事業所内の保育園開設ですが、企業主導型保育事業の助成制度による支援が手厚くなり、全国25か所(イオンモールでは18か所)のイオンゆめみらい保育園を開設しました。モールの営業にあわせた7:00~22:00年中無休でお預かりというのは好評で、定員の84%くらいの稼働率、約150社の従業員の方が利用されています。その地域の方にも各園最大5名まで受け入れ可能という形をとっています。

「人材不足で困っている」というテナントさまも増えており、働きたいけれど預け先がないという人材向けに、イオンモールの新規出店では保育園の開設をセットにして、従業員雇用と子育てしながら働く人材の活躍支援をしてきました。

 

 

Q.人材不足という課題が大きくなっているんですね?

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さまざまな業種で人材不足が深刻化していると言われているなかで、当社でもES(Employee Satisfaction)は重要と考え、自社従業員だけでなく、テナント出店者さまとともに課題を検討する「ダイバーシティ推進部会」を2016年に設置しました。実際にイオンモールで働くスタッフの声を取り入れた働きやすい職場環境づくりを推進しています。例えば、モールのバックヤードにある従業員向けの休憩室の設計にあたって、これまでは大きなテーブルや自動販売機等が置いてあるだけでしたが、カウンター席や、席と席の間に仕切りを設けた個人スペースをつくることで、忙しい日々の業務の中で、ひとりでもゆっくりとリフレッシュができる空間としました。コンビニを誘致したり、パウダールームや男女別のリラックスルームを設置したりし、利便性も高めています。

また、イオンモールで働くテナント従業員へ特典を付与しています。具体的には、従業員やその家族がモール内の他のテナントで割引を受けられたり、一部モールでは出勤日数に応じたWAON POINTを貯めることができたり、働き続けるメリットを感じていただける特典の導入を順次拡大しています。

 

 

 

 

Q.取り組みにあたって難しかった点は何でしょうか?

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時間外労働への取り組みは、削減の成果が大きい分、ここに行きつくまでに非常に大変でした。

管理職層はこれまで長時間働いて成果を上げてきたという成功パターンがあり、長時間労働を是正していくことに抵抗感を持つ方が多くいらっしゃいました。実際、取組当初は人事に多くの問い合わせもありました。働き方がこれまでと変わるということに意識を変えるのは難しかったですが、世間の風向きも変わり、経営層が各所で「今までの働き方ではだめだ」というメッセージを何度も発信してくれていたのが心強かったですし、管理職層の意識変化にもつながりました。

また、働き方の是正にあたり、評価と連動したことが社員全体の意識を変えることに効果があったと思います。会社として業務効率化のシステム導入を進めながら、部署ごとに、業務見直しやアウトソースできることなど都度アイディアを出して改善に取り組むようになりました。

 

 

 

Q.中小企業も含めて女性活躍推進や働き方改革に取り組む企業にメッセージをお願いします。

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私たちもまだまだ道半ばですが、広く意見をきく、ということはおすすめしたいです。社内の意見と合わせて、社会やお客様など社外の声を味方にするのもいいと思います。弊社も社外取締役やお取引先さまの女性視点から、「人材不足への危機感や女性活躍・ダイバーシティ経営の必要性」への意見をいただけたことが、大変ありがたかったです。

 

また、ここ数年は意識的になでしこ銘柄や千葉県第1号でのえるぼし認定など、様々な認定を取ることで、取り組み成果を対外的にも分かりやすく「視える化」することにも取り組んでいます。女性活躍・ダイバーシティ推進=経営や事業成長につながるという認識をもっていただくために、こういった認定や取組みもうまく活用するといいのではないでしょうか。

 

 

栗田様、岡部様、ありがとうございました。

 

 

人事統括部 ダイバーシティ推進グループ マネージャー 兼 保育所推進PT

栗田 珠美さん(左)

人事統括部 ダイバーシティ推進グループ 兼 保育所推進PT 兼 採用グループ

岡部 真由子さん(右)

 

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