ママハピ

【取材記事】柔軟な働き方で誰もが輝けるチャンスを(株式会社Wiz)

「ウーマンエンパワー賛同企業」事務局では、賛同企業様の施策の参考になればという想いから、さまざまな企業事例や取り組みの取材をしています。

 

今回は、株式会社Wiz(東京都豊島区/IT総合商社)にその取り組みを伺いました。​

 

2012年の設立から6年で従業員1,000名規模へ急成長、
ポケットWiFiのレンタルなど様々なDXサービスを取り扱うITの総合商社。「ベストベンチャー100」6年連続認定、Forbes JAPAN WOMEN AWARD 2017(企業部門・規模別ランキング 300名以上1000名未満の部」で2年連続第7位に入賞。ウーマンエンパワー賛同企業の「働きやすい環境づくり認定」も取得され、積極的に取り組みを発信されています。​


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同社の取り組みで特に目を引くのが、多様な働き方の中から自分に合った働き方を選べるということ。”在宅勤務ベースの正社員採用” ”オフィス勤務の正社員は3割まで在宅勤務OK”  “正社員からアルバイトや業務委託になり、のちに正社員に戻る” など、柔軟な雇用形態を展開。また福利厚生も充実しており、様々な場面での「働きやすさ」を実現されています。​


今回お話を伺ったのは、総合本部取締役の山中孝子さま。株式会社Wizの創業メンバーのひとりで、4歳と5歳のお子さんを育てるママさんです。取締役のまま3年間の産育休に入り、育休明けも役職そのままで復職。現在は10時から17時の時短勤務でありながら、総合本部(総務課・給与課・法務課)を統括する責任者として活躍されています。​

 

 





Q.事業内容について教えてください。​

 

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2012年に創業し、IT通信サービスの拡販を中心に事業を拡大してきました。「売る」ことに圧倒的な強みをもつ当社は、多彩なサービス(扱う商材はなんと250以上もあるとのこと)を武器に「ITにまつわるサービスの販売」の強化と、ここ数年で注力している広報×クリエイティブを活かした「メディア運営」を両軸とした、ITに係る総合商社として拡大を続けています。​



Q. 創業から6年で、従業員1,000名を超す規模に急成長されていますが、この急拡大をどのように乗り越えられましたか?​


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今期(2019年度)は186名、来期は200名近くの新卒採用を予定しています。採用する時点では男女を意識している訳ではないのですが、創業時には女性社員の割合が34.8%だったのに比べ、2019年では48.5%と、ほぼ男女均等に在籍しています。新卒採用が多いので、会社全体の平均年齢は28歳前後と若いですが、50代・60代の社員も在籍しています。急拡大したことにより「教育部」を設置して社員教育に注力するとともに、未来の役員クラスの育成にも力を入れています。​

売る商材がたくさんあるので、多くの社員が必要です。職種もポストも、やれることがたくさんあります。本人の希望を聞きながら適所にアサインすることにより、「誰もが輝きやすい環境」を会社として用意する。身近な人が輝いている姿を見て、自分もそこを目指せるんだという夢が持てる。選択肢を増やすことにより新しい風が吹き、会社を成長させる力になると考えています。​



Q.山中様も産育休を経て復職していらっしゃいますが、これまでにどのくらいの方が産育休を取得されているのでしょうか?​


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現時点で、34名の社員が産休/育休を取得中です。産育休後に復職したのは26名。また、現在では男性社員1名が育休を取得中です。​
私も連続して3年間の産育休を取得しましたが、役員が実際に制度を活用することで「積極的に産育休を取得できる会社」という強力なメッセージとなっています。


    取締役 総合本部長 山中さま

 

 


Q.産育休からの復帰のしやすさや福利厚生面など、すでに多くの取り組みを成功させていらっしゃいますが、​女性、特にママさんの働きやすさにフォーカスしはじめたきっかけは何だったのでしょうか?​


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「優秀な人はママであろうと誰であろうと優秀」「働ける時間に制約があるからといって、そのスキルを活かさないのはもったいない」、という考えが根底にあります。実際に、当社で働くママさんたちは自己の時間管理能力の高い方が多く、スピードと集中力が違います。当社で表彰された社員のほとんどがママさんだったこともありました。私も出産前は深夜も土日も関係なく長時間働いていましたが、今では5分刻みでタスク管理をしています。しかし時短勤務の現在と比べても、生産性はあまり変わっていないんですよね。​




Q.他の企業からよく聞く悩みとして「制度はあるけれど、文化として使われていない」「形骸化している」等の話を聞きますが、​Wizさんではいかがでしょうか。

 

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いえ、かなり活用してくれていると思います。この9月から、新しく「ケアリングDAY」という制度を開始しました。育児や家事や介護に仕事、毎日分刻みでスケジュールをこなしている人に「ホッと一息つく時間を作り、自分自身をケアして欲しい」ということで、理由を問わず15時に退社できる制度なのですが、すでにちらほら取得されていると聞いています。ほかにも多くの制度がありますが、特に好評なのは現金支給系ですかね(笑)クリスマス手当やお年玉手当、保育園や幼稚園にかかる費用を補助する保育ママ手当、ほかにもシングルマザー手当などもあります。

もちろんママ向けだけではなく、子どもを持たない社員にも引越支援金や住宅支援金、ジムに通うと支給されるジム de リフ制度などもあるので、不公平感はないかと。また、今後は様々なフェーズでの働きやすさを叶えるために妊活や介護などについても制度を整備していきたいと考えています。​

実際に制度を利用している先輩を見て、「子どもが生まれたらこういう働き方になるのかな」など想像しやすい環境にあると思います。どんどん活用してほしいですね。​



Q.制度などのハード面はかなり充実されていますが、ソフト面についてアドバイスがあれば教えてください。​

 

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一緒に働く人の理解、それに尽きると思います。当社は若いメンバーが多く、若いうちから多様な働き方があるのが当たり前という環境にいることもあり、それもうまくいく理由のひとつかと思います。また、一般的に年配の方の理解が得にくいと言われますが、当社では50代・60代の社員も風土としてきちんと理解してくれています。

ママさんたちは、皆さんが思っているよりずっとタスクマネジメントが上手だということにもっと早く気付いてほしい。成果を出せるママさんをどんどん使ってみて、経営に活用できる兆しを感じてほしいです。時短で堂々と帰るけど、堂々と責任も追う、そんな働き方ができる環境が少しでも増えたらと考えます。​




Q.最後に、はたらくママさんたちにメッセージをお願いします。​
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毎日、仕事も家事も育児も頑張っているママさんたち。自分自身のために使える時間もなかなか取れず、逃げ場がない。ストレスを抱えている方も多いと思います。そういう時には、ぜひ使える制度を使ってほしいです。当社では役職を目指しているママさんたちも多く、偉くなって「働き方を自分で決められる」、そういうポジションにもどんどんチャレンジしてほしいと思います。

 

(左)山中さま (右)弊社代表 谷平



編集後記
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扱う商材も働く環境も、変化に柔軟すぎるほどに対応し、時代の最先端を行く人事制度を実現されている株式会社Wiz。これからも誰もがしなやかに変化し続けられる社会の実現に向けてますます発展されることと思います。ウーマンエンパワー賛同企業事務局でも、引き続き応援させていただきます。

 

 

 

取材:ウーマンエンパワー賛同企業事務局

2019年9月