ママハピ

子どもの自ら育つ力

風薫る5月があっという間に終わってしまいました。 皆さんはどんなイベントがありましたか?

我が家の子ども達はすでに大学院生と社会人。残念ながら家族が揃うイベントはほとんどありません。先週地元小学校の運動会があり、賑やかな音楽や歓声が聞こえていました。今となっては子ども達の為1日応援に行って、頑張っている姿にハラハラドキドキしていた頃がとても懐かしく感じます。

 

こんにちは。子育てするママ達のサポーター 伊藤圭子です。

 

 

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赤ちゃんの心の育ち

 

赤ちゃんの時は自分の欲求を満たすのに何一つできなかった存在が、たった数年で頑張って走ったり踊ったりする運動会。わが子の成長に目を見張り、嬉しくて涙した方もいらっしゃったのではないでしょうか?

生れたばかりの赤ちゃんは、本当に何もできない存在なのでしょうか?人は生まれながらに人間関係の中で生きる存在として生れてきます。生まれたばかりの赤ちゃんは生きようとコミュニケーションを開始しています。多くの動物の赤ちゃんは生まれてすぐに自ら立ちお母さんのおっぱいを探して飲む光景は何度か映像でご覧になった事があるかと思います。人間はもっと未熟で生まれてくるので、泣くというコミュニケーションを開始し生きようと努力します。自ら育つ力の最初でしょう。そのコミュニケーションに私たち親はサインを読み取ろうと一生懸命になります。お腹が空いてるの?オムツが気持ち悪い?眠い?暑い?寒い?とママもパパも一生懸命そのサインを読み取ろうとしますよね。そしてこのママやパパ達の気持ちのざわつきは、精神的に成熟した大人からでる愛情ホルモンなのだそうです。そして私たち親はそのサインを時には失敗しながらも読み取ってミルクを与えたり、オムツを替えたり、抱っこしたりします。そうすると、赤ちゃんは自分のサインを受け止めてもらえ、お腹を満たしたり、不快なオムツを替えてもらえたりして満足するのです。安心、安全を体験していきます。自分の欲求を伝え、そしてその欲求に答えてくれる親に愛着を育てていくのですね。このサインを無視される体験を続けると赤ちゃんはどうなるのか…泣くというコミュニケーションをあきらめてしまうそうです。

お腹がすいた、オムツが気持ち悪いなどと泣くと世話をして満たしてくれる人、声や音に反応すると声をかけてくれたり、話かけてくれて、じっと見つめれば微笑みかけてくれる人。赤ちゃんはサインを送って人と関わりを持ちながら心と身体を育てていくのですね。求めることで相手が心と体を満たしてくれる経験を通して相手との信頼関係築いていき、その周りの世界をも信頼できるようになっていくようです。

 

 

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集団の中での育ち

 

さて、私は今子育てサポーターの仕事もしております。2~3時間、0歳~5歳くらいまでのお子様達を数人でお預かり保育をしております。子どもも、大人も人との関わりの中で、考え成長し育ちあうという考えのもと保育をしています(これは、私の所属するNPOの考え方ですが、その考え方に共感し働かせていただいております)週1回数か月かにわたり同じお子様達をお預かりする事があるのですが、その数か月は大人にとっての数か月と子どもにとっての月日は全く違い、その成長にいつも驚かされます。月齢年齢にもよるのですが、初回ママと別れ難く大泣きをしている子達も、まずは保育者の腕の中で安心感を得、次に抱かれながら他の子の様子を見始めます。そして徐々に腕から離れ、ひざから離れ、自分でおもちゃに手を伸ばし、遊び始め、そしてほかの子と関わりをもてるようになってきます。もちろん子どもそれぞれの個性があるので、時間のかかり方は違ってきます。無理強いは決しないで、その子の気持ちを大切にするのです。大泣きの時は「ママと離れて悲しいね」「ママがいなくてさみしいね」と気持ちを受け止めて接していくようにします。

 

泣かれることはわかっているので、彼らの悲しさを受け止めやすくなります。そうすると、この人は私の気持ちをしっかり受け止めてくれると安心感が生まれ、そこから、心の余裕が生まれてくることで少しずつ離れる事ができるようになるようです。自分で気持ちを切り替えていくのです。自ら育つ力なのでしょう。他には少し月齢の上の子どもたちの遊びを見ながら、自分も今までしなかった遊びに参加してみたり、トイレトレーニングをするお友達に興味を持ち、『おしっこ出る』と言って一緒にトイレに行く(たいていは、出ないことが多いのですが、できたときは一緒に喜びます)集団ならではの育ちを実感します。

子ども達がお互い関わりを持って遊び始めると、今度はおもちゃの取り合いが起こります。あまりすぐに介入しないようにしますが、「○○ちゃんが使っていたから後でね」でもなく「貸してっていうのよ」でもない言い方があります。まだ言葉で上手く表現できる前の子にはこのようにして接します。

「Aちゃん、このおもちゃで遊びたかったのね。」(Aちゃんの気持ちをくむ)

「Bちゃんもこのおもちゃで遊んでいたかったのね」(Bちゃんの気持ちをくむ)

「どうしようか…」「困ったね~」するとAちゃんもBちゃんも私の顔をじっと見て考えるのです。不思議と取り上げようとした子がさっと気持ちを切り替えて他のおもちゃに目をむけて行ってしまう事が多いようです。反対の事も起こります。BちゃんがAちゃんにおもちゃを渡すこともあります。そんな時は「うれしいね、ありがとうしようか?」とか「一緒に遊ぶ?」などとなり、プラレールを一緒に走らせて温かい時が持てるようなことがおこりました。

 

いかがでしょうか?その子の気持ちを大切にして、その子の困った気持ち、不安な気持ちなどを大人が取り上げて解決してあげるのではなく、気持ちをくむことでその子が自分で考えていくのです。その子を一人の人間として尊重して自ら育つ力を信頼する、自分で考える子に育てる親業です。

 

これからの社会で求められる力、自ら考えて行動する力。親も子も、相手も自分もそれぞれの人生を自らの責任で大切に生きるコミュニケーションの方法です。家庭で実践できるように、親業の講座ではロールプレイやグループディスカッションなども入り講座は進んでいきます。世界21か国以上で長く学ばれ続けられている理由は人種や宗教、風習などを超えた人間の心理学や行動学を基礎にした理論だからでしょう。

 

 

親業訓練協会インストラクター 伊藤圭子

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都内どちらでも、説明会、体験会、講演、

講座に伺います。

 

☆㈱交通道徳事業部 代表取締役

☆主に大田区で保育サポーターとしても活動中

☆L・E・T(リーダー・エフェクティブネス・トレーニング)トレーナー

 

 

子どもが幼い時同居する母からの子育てのアドバイスが、本当にこれでいいのかわからなくなり不安に感じていた時、地元小学校で聞いた親業の説明体験会で『これ!』とピンときてすぐに受講しました。『親業』は自分の育児のみならす、自分の生き方の指針となりました。今私の二人の子ども達は、自分の人生をそれぞれが悩みながらも自分の好きな道で力強く生きている姿に『親業』に出会えてよかったと心から思っております。

 

親業訓練協会HP  www.oyagyo.or.jp

お近くにきっと親業インストラクターがいると思います。